モデルで女優、山本美月(24)の初主演映画「東京PRウーマン」(鈴木浩介監督)が、22日に公開される。PR会社のOL役で、女優デビューから4年がたち経験を重ねてきた美月は「現場の空気が読めるようになりました(笑)」と“PR”。順風満帆な芸能活動に見えるが、過去には不遇な時代も。不屈の精神で逆境を乗り越えてきた“努力家”の素顔がのぞいた。
「楽しみではありますが、それよりも評価が怖いなというドキドキの方が大きいです」
女性ファッション誌「CanCam」の“顔”として活躍中のトップモデルが、ちょっぴり緊張した笑みを浮かべた。
初主演作「東京PRウーマン」はPR会社を舞台に、転職組のドジでさえないOLの奮闘を描いた作品。成功と失敗を繰り返しながら成長していく主人公・三崎玲奈を熱演している。
「私はドジじゃないと思うんですけど(笑)、自分に合った仕事を見つけて働けているという意味では私と一緒かなと思います」。座長として取り組んだことについては、「最初は引っ張っていく気満々だったんですけど、キャストの皆さんがほとんど年上で逆に引っ張っていただきました。皆さんのおかげで楽しくできました」と感謝した。
小学6年のときに学芸会で“初舞台”を踏むなど芝居好きだった少女は、高校で演劇部に所属。当時から「普通の人になりたくない。特別な人になりたい」と思っていたそうで、2009年に「東京スーパーモデルコンテスト」で初代グランプリを獲得。「CanCam」の専属モデルとして活動する一方で、11年に念願の女優業をスタートさせた。
現在出演中のフジテレビ系月9ドラマ「恋仲」を含めると、この4年間でドラマ13本、映画9本、舞台1本に出演。「恋仲」では「東京PR-」と対照的な先輩スタッフ役、9月13日放送のテレビ朝日系ドラマスペシャル「陰陽師(おんみょうじ)」ではヒロインの白拍子役で時代劇に初挑戦するなど、演技の幅を広げている。
「昔は自分のことでいっぱいいっぱいで、スタッフさんの名前が覚えられなかったのですが、今はすんなり入ってくるので慣れてきているのかな」。続けて「『今日の現場ピリついていたね』と言われたとき、昔は『え?』って感じだったんですけど、最近は現場の空気が読めるようになりました。成長しました」とハニかんだ。
目指していた「特別な人」になったようにも思えるが、道のりは平坦ではなかった。モデルになってからの3年間は不遇な時代だったという。
「『CanCam』を6年やっていますけど、半分は渋っていた時期でした。専属だけど載っていないときもあって…すごく落ち込んだし、『辞めたい』と思ったこともありました」
モデルの仕事に慣れるまでに時間がかかった。「自分で動きをつけて話を作っていかなくてはいけない撮影とか、自分の苦手な部分は分かっていたので、そこを伸ばせたら」と人一倍努力し、「スカートを買い取ってポージングの練習をしたりしました。『美月ってその程度か』とは思われたくなかったので」と振り返った。
映画の役柄同様、失敗を乗り越えて成長し、「“諦めない精神”が女優業にも役立っているかもしれないですね」とニッコリ。それでも「お芝居は本当にまだまだなので、与えられた役を一つ一つしっかりこなして演技力を上げたい」と背筋を伸ばした。
最後に目標を聞くと、「引っ張っていける女優さんになりたいです。気が使えて、空気が読める女優さんに」と笑顔で即答。劇中に登場する「いい仕事をしている人は輝いている」というセリフを体現していた。
★苦手なタイプは マッチョな人!?
今後、挑戦したい役を問うと、「今のところ恋愛モノをガッツリやったことがないので、一度“ザ・恋愛モノ”をやってみたいな」と熱望。私生活での恋愛については「ある程度大人なので、普通の恋愛はしたい。いずれは結婚したいですね」と語り、「理想のタイプ? まじめで優しくて嘘をつかない人がいいですね。筋肉が得意じゃないのでマッチョはイヤです」と明かしていた。